国境税: 米下院議長が導入アピール 日本製品引き合いに

 【ワシントン清水憲司】米議会下院のライアン議長は16日の記者会見で、トランプ大統領や共和党が導入を検討している国境税の必要性を訴えた。国境税をめぐっては増税が見込まれる輸入企業が反対、減税になる輸出企業が賛成と産業界を二分。共和党の有力者であるライアン氏は日本製レコーダーを引き合いに出して、アピールに躍起となった。

 会見では、目の前に並んだ記者団のレコーダーを手に取り、「これは米国製レコーダー。これはオリンパスだが、どの国の製品か分からないな。これはソニー、日本製だ」と説明。日本製品は輸出時に消費税が免除され、米国輸入時にも課税されないのに対し、「米国製品は米国で課税され、日本でも課税される。我々は自ら米製造業と雇用を損なっている」と述べた。

 多くの国では付加価値税(消費税)が導入され、互いに免税ルールを設けている。しかし、米国は全国共通の付加価値税制度がなく、「競争上不利になっている」との不満が根強い。このため、下院の共和党は、輸出品を免税扱いにし、輸入品の課税を強化する仕組みを目指している。

 ただ、輸入品の値上がりが予想され、ウォルマート・ストアーズなど小売業界が導入に反対。一方、米航空機大手ボーイングなど輸出企業は賛成を表明し、それぞれ政治運動団体を設立する事態に発展している。共和党内にも慎重論があり、金融市場では導入の可能性は「約20%」との予測も出ている。

2017年02月17日 21時22分

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