要介護リスク: 10の質問で…千葉大など7万人調査で確認

要支援・要介護リスク評価尺度の質問事項

 高齢者が要介護になるリスクがわかる「要支援・要介護リスク評価尺度」を、千葉大などの研究グループが開発した。外出回数や転倒の経験といった10項目の質問をして、各項目の点数を合計する手法で、約7万人のデータで精度を確認した。点数が上がると介護・医療費も上がることもわかった。リスクの高い高齢者を見つけ介護・医療費を下げる手がかりになりそうだ。

 開発したのは千葉大予防医学センターの辻大士・特任助教ら。高齢者を大規模に調査するプロジェクト「JAGES」(日本老年学的評価研究、代表・近藤克則千葉大教授)の一環として手がけた。

 「日用品の買い物をしているか」「昨年と比べ外出の回数が減っているか」など日常生活に関する10項目を質問。各項目ごとに、活発さの程度によって0点から配分し、合計(0〜55点)して、要支援・要介護になる率との関連を調べた。2010〜13年の約5万2000人の高齢者の追跡調査で尺度の原形を作り、ある政令指定都市で11年から4年間、7万2000人の追跡調査をして検証。点数が高いほど、4年後に要支援・要介護認定率が高くなることを証明した。

 また慶応大の後藤励・准教授、京都大学の大学院生・加藤弘陸さんはこの評価尺度と65〜75歳未満の約2万5000人のレセプト(診療報酬明細書)データとの関連を調べた。評価尺度が1点上がるごとに医療費は約3万3000円、介護費は約3600円、いずれも3年間に増えることが明らかになった。将来の介護・医療費の予測に役立つという。

 10項目は介護予防対象者を見つけるため厚生労働省が使っている「基本チェックリスト」(25項目)のうち統計上、要介護リスクと関連の高い項目を抽出し点数を付けた。

 研究グループは今後、評価尺度を使ってリスクの高い高齢者を見つけ介護予防策を講じたうえで介護費が減らせるのかを調べる。

 尾島俊之・浜松医大教授(健康社会医学)は「信頼性の高い尺度だ。利用者にとっても生活習慣を変えてリスクを予防する参考になる」と話す。【斎藤義彦】

2017年02月17日 12時05分

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