覚醒剤密輸: 差し戻し審、被告に無罪判決 裁判員裁判

 覚醒剤を密輸しようとしたとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などに問われたシンガポール国籍の男性被告(68)に対する差し戻し審判決で、東京地裁の裁判員裁判は17日、無罪(求刑・懲役12年、罰金700万円)を言い渡した。

 持ち込もうとしたキャリーケースから覚醒剤が見つかったが、大野勝則裁判長は「違法薬物が隠されている可能性を間違いなく認識していたとまでは言えない」と指摘した。

 被告は2013年9月、覚醒剤約9460グラムをインドから密輸しようとしたとして起訴された。羽田空港の税関で発覚したが、弁護側は知人から頼まれたキャリーケースを運んだだけで違法薬物が入っているとは知らなかったと主張していた。

 今回の判決は、被告が同じ知人に頼まれて過去にも10回、日本に贈答品を運んでいたことや、高額の詐欺に巻き込まれたことがあるなどだまされやすい特性があることを重視。違法薬物が入っていた疑いを持つことなく運んだ可能性が否定できないと結論付けた。

 別の裁判員が担当した差し戻し前の1審判決は懲役12年、罰金700万円としていた。被告が送ったメールの内容などから違法性の認識があったと判断したが、2審・東京高裁は「メールは事件と無関係なのに内容を誤解したまま認定した」と指摘。1審を破棄して審理を差し戻していた。【近松仁太郎】

2017年02月17日 22時18分

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